岐阜県・各務原市で事業を営む経営者の皆様、こんにちは。
五島欣路社会保険労務士事務所の五島です。
長年にわたり現場を支え、会社の成長に力を尽くしてくれたベテラン社員の皆様。
その方たちが長い年月をかけて身につけてきた**「熟練の技術」や「豊富な経験」**は、会社にとってかけがえのない財産です。
「65歳を過ぎても、まだまだ元気に働いてほしい」
「若い社員に、長年培ってきた技術を伝えてほしい」
「これまで会社を支えてくれた社員が、安心して長く働ける会社にしたい」
このように考えている経営者様も多いのではないでしょうか。
一方で、実際に制度を整えようとすると、
- 定年は何歳にすればいい?
- 定年を延ばすのと、再雇用ではどちらがいい?
- 給料や働く時間はどうすればいい?
- 就業規則はどう直せばいい?
- 助成金を使える可能性はある?
といった疑問も出てきます。
今回は、**「66歳定年」「70歳までの継続雇用」という2つの方法を中心に、ベテラン社員が無理なく長く活躍できる職場づくりと、その取り組みを後押しする「65歳超雇用推進助成金」**について、社会保険労務士の立場から分かりやすくお伝えします。
ベテラン社員の技術は会社の大切な財産です
各務原市や岐阜県内には、ものづくりをはじめ、長年の経験や技術が大切になる会社がたくさんあります。
ベテラン社員が持っているのは、単なる「作業のやり方」だけではありません。
「この音がしたら、少し注意した方がいい」
「この作業は、ここを少し調整するとうまくいく」
「こういうトラブルの時は、まずここを確認する」
こうした経験から身についた知識や感覚は、マニュアルだけではなかなか伝えられないものです。
だからこそ、ベテラン社員が退職すると、その方が持っていた大切な技術や経験まで会社から失われてしまうことがあります。
ベテラン社員に長く活躍してもらうことは、人手不足への対応だけではなく、大切な技術を若い社員へ引き継ぐことにもつながります。
方法① 定年を「66歳以上」に引き上げる
ベテラン社員に長く働いてもらう方法の一つが、会社の定年を**「66歳以上」**に引き上げることです。
たとえば、
- まだまだ現場の中心として働いてほしい
- 責任ある仕事を引き続き任せたい
- 若手社員の指導役になってほしい
という社員がいる会社では、定年そのものを延ばす方法が考えられます。
定年後にいったん退職して再雇用するのではなく、これまでの経験や立場を活かしながら働いてもらう形です。
会社から、
「これからも大切な社員として働いてほしい」
という思いを、制度として形にする方法でもあります。
方法② 希望者が「70歳まで働ける」継続雇用制度を整える
もう一つが、定年後も希望する社員が70歳まで働ける継続雇用制度を整える方法です。
たとえば、
- 週5日は少し大変なので、週3日にする
- 勤務時間を短くする
- 現場作業を少し減らす
- 若手社員の指導を中心にする
といった働き方も考えられます。
年齢を重ねれば、体力や家庭の事情も一人ひとり違います。
大切なのは、「今までとまったく同じ働き方を続けてもらうこと」ではありません。
その人の経験や技術を活かしながら、無理なく働き続けられる形を会社と社員が一緒に考えることが大切です。
「何歳まで働くか」だけでなく、働き方も一緒に考えましょう
定年を延ばしたり、継続雇用を始めたりするときには、「何歳まで働けるようにするか」だけを決めればよいわけではありません。
- 給料はどうするのか
- 勤務日数はどうするのか
- 勤務時間はどうするのか
- どんな仕事をお願いするのか
- 若手社員への技術の引き継ぎをどうするのか
こうしたことも一緒に考えておく必要があります。
そして、何より大切なのが本人との話し合いです。
会社として、
「これからも、この仕事をお願いしたい」
「あなたが持っている技術を若い社員に伝えてほしい」
という思いを伝える。
一方で社員からも、
「これからは少し勤務日数を減らしたい」
「この仕事ならまだまだ続けたい」
といった希望を聞く。
会社が期待する役割と、社員が希望する働き方。
この2つをしっかり話し合って、無理のない形を決めていくことが、長く働いてもらうための大切なポイントです。
長く働けることが「技術の引き継ぎ」につながります
たとえば、65歳で退職する予定だったベテラン社員が70歳まで働けるようになれば、若い社員へ技術を伝える時間も増えていきます。
長年かけて身につけた技術を、その方の退職と同時に失ってしまうのではなく、次の世代へ少しずつ引き継いでいく。
これは会社にとって、とても大切なことです。
ベテラン社員にとっても、自分が身につけてきた技術を若い社員に伝えることが、新しいやりがいや役割につながるのではないでしょうか。
ただ長く働いてもらうだけではなく、
「長く働いてもらうこと」と「若手を育てること」を一緒に考える。
そうすることで、ベテラン社員の継続雇用が会社の将来にもつながっていきます。
年金を「少し遅く受け取る」という選択もあります
65歳を過ぎても働き、給料を受け取れる場合、生活の状況によっては、年金をすぐに受け取らず、受け取りを遅らせる**「繰下げ受給」**を選ぶこともできます。
年金は、受け取りを1か月遅らせるごとに0.7%増えます。
1年間遅らせた場合は、
0.7% × 12か月 = 8.4%
増える計算です。
ただし、ここで気をつけたいことがあります。
「年金は遅く受け取れば、必ず得になる」というわけではありません。
給料の金額や税金、社会保険料、本人の生活状況などによっても変わります。
また、働きながら受け取る老齢厚生年金については、給与などの金額によって年金の一部が支給停止になる場合もあります。
そのため、会社から一律に「繰下げた方が得ですよ」と勧めるのではなく、
「こういう選択もありますよ」
と情報を伝え、本人が自分の生活に合わせて考えることが大切です。
会社の取り組みを後押しする「65歳超雇用推進助成金」
定年を延ばしたり、継続雇用制度を整えたりするためには、就業規則の変更などが必要になります。
こうした会社の取り組みを後押ししてくれる制度の一つが、**「65歳超雇用推進助成金」**です。
その中の「65歳超継続雇用促進コース」では、一定の条件を満たした会社が、
- 65歳以上へ定年を引き上げる
- 定年そのものをなくす
- 66歳以上まで働ける継続雇用制度を作る
などの取り組みを行った場合、助成金の対象になることがあります。
定年を変えれば必ず助成金がもらえるわけではありません
ここは、経営者様にぜひ知っておいていただきたいところです。
「定年を66歳にすれば必ずもらえる」
「70歳まで働けるようにすれば必ずもらえる」
というものではありません。
社員の雇用状況や現在の就業規則、これまでの定年制度、制度を変更する時期など、いくつかの条件を確認する必要があります。
そのため、
「先に就業規則を変更して、後から助成金を調べる」
という進め方はおすすめできません。
助成金の利用も考えている場合は、制度を変更する前に、自社が対象になる可能性があるか確認しておくことが大切です。
助成金のためではなく「社員のための制度」を
私は、助成金をもらうことだけを目的に制度を変える必要はないと考えています。
まず考えたいのは、
「この社員に、これからどんな形で活躍してもらいたいか」
ということです。
長年会社を支えてくれた社員が、年齢を重ねても安心して働ける。
その社員が持っている技術や経験が、若い世代へ受け継がれていく。
そして会社も、人手不足や技術の引き継ぎに備えることができる。
まず、そのために必要な制度を考える。
そして、会社が必要としている制度と助成金の条件が合えば、公的な支援も上手に活用する。
「助成金ありき」ではなく、まずは会社と社員に合った制度を考える。
この順番が大切だと思います。
各務原・岐阜で定年延長や継続雇用をお考えの経営者様へ
「うちの会社なら、定年を延ばすのと再雇用のどちらがいい?」
「ベテラン社員の給料や勤務時間をどう決めればいい?」
「若い社員への技術の引き継ぎも考えたい」
「うちの会社でも助成金を使える?」
このようなお悩みがございましたら、五島欣路社会保険労務士事務所までお気軽にご相談ください。
会社によって、社員の年齢も仕事内容も、これからの働き方も違います。
だからこそ、制度だけを当てはめるのではなく、会社の状況や社員の希望を聞きながら、その会社に合った形を一緒に考えていくことが大切です。
長年会社に貢献してくれた社員への感謝を、
「これからも安心して働ける仕組み」
という形にする。
そして、その方が長年培ってきた大切な技術や経験を、次の世代へつないでいく。
各務原市・岐阜県の企業の皆様が、会社にも社員にも無理のない働き方を作れるよう、社会保険労務士としてお手伝いいたします。
※助成金には支給条件があり、制度の内容が変更される場合があります。実際に利用を検討される場合は、最新の制度内容をご確認ください。

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